親に出してもらった住宅ローンの頭金、離婚するなら戻ってくる?

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結婚して8年になるAさんは夫と離婚し、実家に帰る予定です。
Aさん夫婦は結婚するときに2000万円で自宅を購入。住宅ローンは残っていますが、売却してもローン残高が上回るため、夫は残りのローンを支払いながら自宅に住み続けるつもりでいます。Aさんは自宅を購入する頭金として200万円を自分の親に出してもらっているので、離婚して自分が家を出るなら、その分を夫に返してもらいたいと考えました。

財産分与では現在の価値が基準になる

離婚の際には、夫婦が婚姻中に築いた財産を分ける財産分与を行います。自分が親からもらった財産は夫婦の財産ではないので、財産分与する必要はなく、離婚するときにも自分がそのまま持って行っていいことになります。
しかし、親からもらったお金で住宅を購入した場合には、お金は住宅に代わっていますから事情が違います。住宅の価値はずっと同じではなく、通常、購入時と現在とでは価格も変わっています。財産分与では現在の価値を基準にしますから、清算する場合にも、購入時に親に出してもらった金額がそのまま戻ってくるということはないのです。

オーバーローンの住宅は財産分与の対象にならない

住宅ローン支払い中の住宅の財産分与では、住宅を売却してプラスが出れば、プラスになった分を夫婦で折半するのが原則になります。このとき、どちらか一方の親が購入時に頭金を出しているのであれば、出した方の側が多めに受け取ることは可能です。
しかし、住宅がオーバーローンの場合には、売却してもプラスにはなりませんから、分ける分もありません。そのため、オーバーローンの住宅に価値はなく、財産分与の対象にしないと考えるのが近年の裁判例の傾向です。

離婚と住宅ローンについては専門家に相談

上記の例では、Aさんの親は住宅購入資金の10分の1の金額を出していますが、現在の価値を基準にすれば返してもらえる分は1円もないということになります。しかし、離婚の際の住宅ローンの問題は複雑で、これが必ず正解というものはないのが実情です。どういった解決法が良いかについてはケースバイケースの判断が必要になります。

Aさんの例でも、離婚に至った経緯や実家との関係などを考慮し、親に出してもらった分を住宅以外の財産分与や慰謝料などで調整した方が良い場合もあります。このような場合、当事者同士の話し合いだけではかえってトラブルになる可能性がありますから、専門家に相談して解決するのがおすすめです。

当センターでも専門家と連携し、お客様の事情に合わせたプランをご提案しておりますので、お気軽にご相談ください。

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