離婚の慰謝料代わりに受け取ったはずの自宅を追い出される!?

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Bさんは、夫の浮気が原因で離婚することになりました。夫婦の間には子どもが1人おり、Bさんが引き取る予定です。Bさんは慰謝料代わりに夫名義の自宅を譲り受けることになりました。住宅ローンは夫が払い続け、ローン完済後に自宅の名義をBさんに変更することで合意。合意した内容は公正証書にしました。
ところが、離婚から3年後、Bさんのところに元夫の妻という女性から「夫が事故で亡くなった。住宅は私が相続したから出て行ってほしい。」との連絡が。Bさんは突然のことに驚いてしまいました。

住宅ローン完済後の名義変更を合意しておくこともできる

離婚する際、住宅ローンは夫に払ってもらいながら、妻が自宅をもらって住み続けたいということもあると思います。このような場合、自宅が夫名義や共有名義になっていても、離婚と同時に妻名義に変更することは通常はできません。金融機関はローン支払い中の住宅の名義変更を認めてくれないからです。そこで、離婚時に夫婦間で、ローン完済後に名義変更する旨を合意しておくという方法があります。住宅の名義変更(所有権移転登記)には元夫の協力が欠かせませませんから、あらかじめ合意しておけば、妻にとっては安心感があります。

元夫が住宅ローン返済中に亡くなればどうなる?

もし元夫が住宅ローン返済中に亡くなった場合、団体信用生命保険に加入していれば、ローンは完済になります。しかし、この場合には、元妻への名義変更が困難になる可能性があります。元夫は既に亡くなっていますから、所有権移転登記には相続人の協力が必要です。元夫の相続人が自分との間の子どもだけならそれほど心配ないかもしれませんが、元夫が再婚していれば、再婚相手が必ず相続人になるからです。

元夫が再婚していれば問題が複雑になる可能性大

不動産の所有権を第三者に対して主張するには、登記が必要です。上記の例では、Bさんは所有権移転登記をしていませんから、元夫の再婚相手に「自分がこの家の所有者である」と言うことができません。Bさんは公正証書を作っていますが、公正証書はお金の支払い以外では強制力がありませんから、これをもとに強制執行をすることもできません。
元夫の相続人の1人である再婚相手が、財産分与があったことを認めて任意に登記に協力してくれるとは考えにくいでしょう。元夫名義の住宅が相続されるとしても、Bさんとの間の子どもも再婚相手と一緒に相続人になるため、話し合いですんなり解決する可能性は低いと言えます。

離婚時に、住宅ローン返済中の自宅の清算を後回しにすると、トラブルのもとになります。離婚後は何が起こるかわかりませんので、あらゆる可能性を考えて住宅の処分方法を考えましょう。当センターでは離婚と住宅ローンに関する相談を受け付けていますので、お気軽にご連絡ください。

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