離婚

離婚の慰謝料代わりに受け取ったはずの自宅を追い出される!?

161212

Bさんは、夫の浮気が原因で離婚することになりました。夫婦の間には子どもが1人おり、Bさんが引き取る予定です。Bさんは慰謝料代わりに夫名義の自宅を譲り受けることになりました。住宅ローンは夫が払い続け、ローン完済後に自宅の名義をBさんに変更することで合意。合意した内容は公正証書にしました。
ところが、離婚から3年後、Bさんのところに元夫の妻という女性から「夫が事故で亡くなった。住宅は私が相続したから出て行ってほしい。」との連絡が。Bさんは突然のことに驚いてしまいました。

住宅ローン完済後の名義変更を合意しておくこともできる

離婚する際、住宅ローンは夫に払ってもらいながら、妻が自宅をもらって住み続けたいということもあると思います。このような場合、自宅が夫名義や共有名義になっていても、離婚と同時に妻名義に変更することは通常はできません。金融機関はローン支払い中の住宅の名義変更を認めてくれないからです。そこで、離婚時に夫婦間で、ローン完済後に名義変更する旨を合意しておくという方法があります。住宅の名義変更(所有権移転登記)には元夫の協力が欠かせませませんから、あらかじめ合意しておけば、妻にとっては安心感があります。

元夫が住宅ローン返済中に亡くなればどうなる?

もし元夫が住宅ローン返済中に亡くなった場合、団体信用生命保険に加入していれば、ローンは完済になります。しかし、この場合には、元妻への名義変更が困難になる可能性があります。元夫は既に亡くなっていますから、所有権移転登記には相続人の協力が必要です。元夫の相続人が自分との間の子どもだけならそれほど心配ないかもしれませんが、元夫が再婚していれば、再婚相手が必ず相続人になるからです。

元夫が再婚していれば問題が複雑になる可能性大

不動産の所有権を第三者に対して主張するには、登記が必要です。上記の例では、Bさんは所有権移転登記をしていませんから、元夫の再婚相手に「自分がこの家の所有者である」と言うことができません。Bさんは公正証書を作っていますが、公正証書はお金の支払い以外では強制力がありませんから、これをもとに強制執行をすることもできません。
元夫の相続人の1人である再婚相手が、財産分与があったことを認めて任意に登記に協力してくれるとは考えにくいでしょう。元夫名義の住宅が相続されるとしても、Bさんとの間の子どもも再婚相手と一緒に相続人になるため、話し合いですんなり解決する可能性は低いと言えます。

離婚時に、住宅ローン返済中の自宅の清算を後回しにすると、トラブルのもとになります。離婚後は何が起こるかわかりませんので、あらゆる可能性を考えて住宅の処分方法を考えましょう。当センターでは離婚と住宅ローンに関する相談を受け付けていますので、お気軽にご連絡ください。

親に出してもらった住宅ローンの頭金、離婚するなら戻ってくる?

img20161114

結婚して8年になるAさんは夫と離婚し、実家に帰る予定です。
Aさん夫婦は結婚するときに2000万円で自宅を購入。住宅ローンは残っていますが、売却してもローン残高が上回るため、夫は残りのローンを支払いながら自宅に住み続けるつもりでいます。Aさんは自宅を購入する頭金として200万円を自分の親に出してもらっているので、離婚して自分が家を出るなら、その分を夫に返してもらいたいと考えました。

財産分与では現在の価値が基準になる

離婚の際には、夫婦が婚姻中に築いた財産を分ける財産分与を行います。自分が親からもらった財産は夫婦の財産ではないので、財産分与する必要はなく、離婚するときにも自分がそのまま持って行っていいことになります。
しかし、親からもらったお金で住宅を購入した場合には、お金は住宅に代わっていますから事情が違います。住宅の価値はずっと同じではなく、通常、購入時と現在とでは価格も変わっています。財産分与では現在の価値を基準にしますから、清算する場合にも、購入時に親に出してもらった金額がそのまま戻ってくるということはないのです。

オーバーローンの住宅は財産分与の対象にならない

住宅ローン支払い中の住宅の財産分与では、住宅を売却してプラスが出れば、プラスになった分を夫婦で折半するのが原則になります。このとき、どちらか一方の親が購入時に頭金を出しているのであれば、出した方の側が多めに受け取ることは可能です。
しかし、住宅がオーバーローンの場合には、売却してもプラスにはなりませんから、分ける分もありません。そのため、オーバーローンの住宅に価値はなく、財産分与の対象にしないと考えるのが近年の裁判例の傾向です。

離婚と住宅ローンについては専門家に相談

上記の例では、Aさんの親は住宅購入資金の10分の1の金額を出していますが、現在の価値を基準にすれば返してもらえる分は1円もないということになります。しかし、離婚の際の住宅ローンの問題は複雑で、これが必ず正解というものはないのが実情です。どういった解決法が良いかについてはケースバイケースの判断が必要になります。

Aさんの例でも、離婚に至った経緯や実家との関係などを考慮し、親に出してもらった分を住宅以外の財産分与や慰謝料などで調整した方が良い場合もあります。このような場合、当事者同士の話し合いだけではかえってトラブルになる可能性がありますから、専門家に相談して解決するのがおすすめです。

当センターでも専門家と連携し、お客様の事情に合わせたプランをご提案しておりますので、お気軽にご相談ください。

元夫がローンを払っている家に住んでいたら児童扶養手当がもらえない?

20161110

離婚後も夫名義の住宅に妻と子どもが住み続け、住宅ローンは出て行く夫が払うという形の取り決めは、様々なリスクを伴います。
元夫名義の住宅に住んでいることで、母子家庭向けの支援が受けられなくなる可能性があることにも注意しておきましょう。

母子家庭の生活を助ける児童扶養手当

児童扶養手当は、母子家庭や父子家庭といったひとり親家庭に地方自治体を通じて支給される手当です。子ども1人の場合、最高で月額約4万円が受給できます。
児童扶養手当は所得を基準に受給額が決まり、正社員程度の年収があればたいてい受給はできませんが、母子家庭ではパートやアルバイト勤務の人も多いため、貴重な収入源になり得ます。また、受給額の算定基準になるのは前年度の所得ですから、専業主婦から離婚をきっかけに働き始めたような場合、初年度はかなり多くの額の受給が期待できます。

元夫名義の住宅に住んでいると児童扶養手当がもらえない?

上記のような事情から、離婚する際には、児童扶養手当をあてにして生活設計を考える女性の方も多いと思います。
しかし、児童扶養手当は離婚すれば自動的に受けられるわけではなく、申請手続きを行った後、審査が行われます。ここで、元夫名義の住宅にそのまま住み続けていたり、元夫が住宅ローンを支払っていたりする場合、審査に通らないことがあります。
離婚しても元夫名義の住宅に住み続けているということは、それだけで偽装離婚を疑われてしまうような状況です。また、児童扶養手当の算定の基準になる所得には受け取っている養育費の8割も含まれますから、養育費がわりに住宅ローンという形で住居費を払ってもらっているとみなされ、その分受給額が減ってしまう可能性もあります。

児童扶養手当については離婚前に役所に確認

離婚後も元配偶者名義の住宅に住み続ける場合に児童扶養手当が受けられるかどうかは、自治体によって扱いも違いますし、それぞれの方の個別の事情によっても変わってきます。離婚後、あてにしていた手当がもらえないとなると困りますから、離婚届を出す前に役所の担当課に確認しておくのがおすすめです。

離婚後も元配偶者が住宅ローンを支払っている家に住み続けていると、上記以外にも様々なトラブルが起こる可能性があります。離婚の際に住宅ローン返済中の住宅をどうするかは、専門家に相談して対処法を考えるようにしましょう。当センターでもご相談を受け付けていますので、お気軽にお問い合わせください。

夫婦間のローントラブル ~ 共有名義が解消できない~

img20161012

共働きの夫婦などでは、住宅の名義を共有とし、住宅ローンについては一方が連帯債務者や連帯保証人になっているケースがよくあります。
このような場合、離婚するとなると、夫婦共有名義の解消ができなかったり、一方が連帯債務者から外れることができなかったりという問題が生じるおそれがあります。

離婚するから共有名義を解消したいけど…

Aさん(夫)とBさん(妻)はどちらも会社員の共働き夫婦。結婚した翌年に夫婦の収入を合算して住宅ローンを組み、マンションを購入。Aさんが主債務者、Bさんが連帯債務者となり、マンションは共有名義としていました。しかし、結婚して10年が過ぎた頃、夫婦関係が険悪になり、ついには離婚の話し合いを始めました。
Bさんは離婚後は実家に帰るつもりなので、マンションは特に要りません。そこで、マンションの名義も住宅ローンの名義も、夫のAさん一人に変更してほしいと考えました。Aさんの方も異論はありません。

連帯債務者から外れることができない!?

AさんとBさんは、マンションと住宅ローンの名義変更について金融機関に申し入れました。しかし、金融機関の返事はNOでした。住宅ローンを組む際には、夫婦の収入を合算して審査に通っています。まだ住宅ローンの残債もかなりあるため、Aさんの収入だけでは審査に落ちるということでした。
Aさんは他の金融機関に借り換えすることも考えましたが、Aさんの収入では、残りの住宅ローンを一括返済できる金額を借りることはやはり困難なことがわかりました。
そこで、BさんはAさんに売却を提案しましたが、「売却しても借金が残るから、自分がローンを払って住む方がマシ」と反対されました。

元配偶者を信じて任せてもいい?

Aさんは、「残りのローンは自分がきちんと払う」と言っています。しかし、そもそも信用できないからこそ離婚になった相手ですから、Bさんは不安でたまりません。
連帯債務者から外れることができなければ、もしAさんがローンの支払いを怠った場合、Bさんのところに請求がくることになります。マンションを売っても借金が残るのなら、Bさんがその分を払わなければならないことにもなってしまいます。

夫婦の収入合算により住宅ローンを組んで住宅を購入している場合、離婚することになっても一方の名義に変更することが難しいことが多くなっています。当事者間だけで債務を引き受ける取り決めをしても、本当の解決にはなりません。
このようなケースでは、任意売却することで問題がスッキリ解決することがあります。離婚時に共有名義の住宅の処分にお困りの方は、ぜひ当センターまでご相談ください。

夫婦間のローントラブル~連帯保証人から外れることができない

20160720

離婚の際、妻が家に残り、出て行く夫が住宅ローンを支払う約束をすることもあると思います。このような場合でも、夫がきちんと住宅ローンを支払ってくれている限り、大きな問題になることはそんなにありません。しかし、夫自身に住宅ローンを払う意思があっても、何らかの事情で払えなくなってしまうこともあります。
元夫が高度障害で就業不能になってしまったBさんの例をみてみましょう。

住宅ローン支払い中の元夫が事故で要介護状態に…

2人の子どもを育てているシングルマザーBさんは、7年前に夫の浮気が原因で離婚。その際、夫名義の持ち家にはBさんと子どもたちが住み続け、夫は慰謝料のつもりで離婚後も住宅ローンを払い続ける約束をしました。
離婚後も元夫は近所に住んでおり、子どもたちも頻繁に行き来するなど、関係は悪くありませんでした。元夫は約束どおり住宅ローンも払ってくれていたので、安心して暮らすことができていたBさん。ところが、その元夫が2年前に、不慮の事故から介護が必要な状態になり、働けなくなってしまったのです。

自分で住宅ローンを負担するのはやはり厳しい…

住宅ローンの支払いが困難な状態になった元夫の代わりに、Bさんは自分で元夫名義の住宅ローンを払うようになりました。子どもたちも今の家が気に入っていたため、Bさんは何としても家を維持したかったのです。

しかし、Bさんはまだ小さい子どもたちに手がかかるので、時間の短いパート勤務。収入の少ないBさんにとって、毎月の住宅ローンの支払いは厳しく、生活もギリギリの状態でした。

元夫の団体信用生命保険は請求できる?

そんなとき、Bさんは住宅ローンを組んだとき団体信用生命保険(団信)を付けていたのを思い出し、団信を請求できないかと考えました。団信に加入していれば、住宅ローン債務者が死亡または高度障害状態になった場合に保険金がおり、ローン残高を完済できるからです。

元夫は自分で金融機関に相談できる状態ではなかったため、Bさんは元夫の代わりに金融機関に事情を話し、団信の請求について相談しました。しかし、金融機関側からは「契約違反だから団信がおりないかも」との返答が…。Bさんは慌ててしまいました。

住宅ローン債務者が家に住んでいないのは契約違反

住宅ローンは本人が住むことを条件とし、他のローンに比べて金利が低く抑えられています。ですから、住宅ローン債務者本人が住んでいないということは、金融機関との間では契約違反になってしまいます。

住宅ローン契約では、通常、「債務者側が契約違反をした場合には、金融機関側はローン残金の一括返済を要求できる」という条項が入っています。つまり、Bさんの元夫は、金融機関から一括返済を要求されても、文句は言えない立場ということになります。

元妻が代わりに団信の請求をするのは無理

一方、団信では必ずしも本人居住が条件になっていないこともありますから、団信を受け取れる可能性はあります。しかし、既に離婚しているBさんは、元夫とは他人ということになりますから、元夫の代わりに団信の請求をすることができません。もし団信がおりず、同時に住宅ローン残金の一括返済を要求されれば、Bさんたちは家を出て行かざるを得なくなってしまいます。Bさんは、「こんなことなら、金融機関に相談せず、自分が黙って住宅ローンを払い続けた方が良かったのか…」と後悔してしまいました。

Bさんのケースでは、元夫の両親の協力が得られたので、無事団信の請求ができました。しかし、このようなケースでは、Bさん一人ではどうにもならず、結局家を出て行かなければならないこともあります。

当事者同士の関係が比較的良いケースでも、離婚後は何が起こるかわかりません。不動産についても、離婚時になるべく清算しておくのがおすすめです。離婚の際に住宅ローン付きの不動産をどうすれば良いかがわからないときには、ぜひ当センターにご相談ください。